キャリアカウンセラーのメッセージ

「キャリア」「仕事」「就職・転職」に関する実情について、キャリアカウンセラーの立場から発信して参ります。

10. 転職に人間力を

 これもご存知の方が多いかと思いますが、電車に乗っていると目に付くと申しますか、目に障る人材紹介会社の広告のキャッチコピーです。具体的に何のことを示しているのか、凡人の当方にはまるでわかりませんが、多分、具体的に説明できる方は誰一人いないとも思います。

 この手の会社は、どうも、美辞麗句や人の心に訴えかける言葉を並べるのは得意なようですが、本質的に何か社会の役に立つような行動を伴うことは、とてもお苦手なようでもあります。

 ただ、これは何もこの手の人材紹介会社だけに限ったことではありません。政治の世界でもそうですし、某社のような不祥事を起こした企業のトップの記者会見でも同様で、「上滑り」「表面だけ」「その場逃れ」「言葉だけ」で、本質的な行動を伴わないというのは、もしかすると今の日本社会の世情を反映しているのかもしれません。

 そもそも、「転職」に「人間力」とは、何なのでしょうか。人材紹介会社の社員に「人間力」が足らないから、その戒めを世間に晒しているのなら判らなくもないですが、そんな人材紹介会社は、「おたくだけでしょう」とも冷ややかに指摘したい次第です。あるいは、転職には「人間力」が必要ですよと、登録者(=求職者)に訴えているのでしょうか。何を偉そうなことを言っているのか、その感覚も当方には理解に苦しむ所です。

 ただ、この数日取り挙げましたが、人材紹介会社のキャッチコピーを拝見すると、どこも同じような感じを受けるのは当方だけではないでしょう。行動が伴わない美辞麗句ほど、空々しく白々しく痛々しいものはありません。逆に、美辞麗句や不必要な誇大広告がなくても、誠実に社会の役に立つような行動を粛々と行えば、おのずから有益なネットワークが構築でき、優秀なご登録者や顧客が自然と集まってくるものです。これは人材紹介会社だけではなく、どんな仕事でも同じです。

 確かに理念やキャッチフレーズなるものは、組織を運営する上で、あるいは仕事をする上では必要なものではあります。ただし、繰り返しますが行動が伴わないものは、見苦しいだけです。履歴書の横流しだけで社会に貢献していると誤解しているような方に「人間力」を語る資格はありません。また、自らの実力を勘違いして、独立や起業をすれども後々に無様な姿を晒す元業界人も、これ以上不要です。

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