キャリアカウンセラーのメッセージ

「キャリア」「仕事」「就職・転職」に関する実情について、キャリアカウンセラーの立場から発信して参ります。

47. はじめての転職フェア

 本日、とある駅の広告で「はじめての転職フェア」という文字を見たときは「何かの間違いではないか?」と思いました。

「はじめてのアコム」でなく、「はじめての転職フェア」なのですね。

ここまで露骨に集めたいターゲット層を訴えかけるのもいかがかと思います。単に、

 

「転職回数が少ないほうが、明らかに採用確率が高い、あるいは企業からのオファーが来やすいので、そのような方々『だけ』を集めたい」

 

とする運営会社(○クルートでしょうか)の意図が伺えます。根本は「重債務者よりも借り入れ歴のない方を新規顧客として集めたい」消費者金融業界と同類項ですね。

 転職フェアの乱発にも当方は眉をひそめる立場ですが、ここまで来ると転職をビジネスにする会社らも金儲け主義、利己主義が全面に出ており、いつか社会から足元をすくわれるのではないかと、差し出がましいかもしれませんが心配をしたくなる次第です。

 新卒学生の一括採用もそうですが、どうも日本社会は就職や転職について、「イベント」と関連付けるのがお好きなようでもあります。

 おそらく本当に実力のある人、もしくは真剣にその企業に入社したいと考えている人は、サイトを使わずとも、人材紹介会社を使わずとも、このようなイベントに参加しなくとも、あらゆる手段を使って自ら該当企業の「門をたたく」のでしょう。

 採用する側も、「やっつけ」で来た求職者と、自らの意志で「門を叩いた」求職者のどちらを採用するかは明らかです。

QUOカードプレゼント!!」「○箇所以上のブースを回った方には抽選で豪華賞品が当たる!!!!」というのも、商店街の歳末バーゲンでもあるまいし、ふざけた客寄せです。また、おそらくそれを目当てでくる畑違いの方も言わずもがなです。

 こと「採用」においては前近代的な日本社会では、このような転職フェアも全盛のようですが、いずれは、SNSやパーソナルネットワークを使ったダイレクトリクルーティング等によって駆逐されるのではと見ています。

 ただ、(当方の範疇の対象外であるような)大量採用のブラック企業は、このような転職ビジネス会社と結託して、ひたすら人集めを継続し続けるのかもしれません。そのような意味では、採用活動の在り方も二極化するのかもしれません。

 改めて申しますが、当方の立場は「転職はしなくても良いもの」です。ただし、働く本人が意図しない環境の変化等で転職をせざるを得ないことも十分ありうる社会です。

 その場合にもこのような転職ビジネス会社が提供するようなルートを使うのではなく、自らのネットワークとプロフェッショナルスキルで労働移動を実現して頂きたいと思っています。

 そして、それがいつの時でも実現できるような働き方を継続して頂きたいというのが、キャリアカウンセラーとしてのメッセージです。


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