キャリアカウンセラーのメッセージ

「キャリア」「仕事」「就職・転職」に関する実情について、キャリアカウンセラーの立場から発信して参ります。

48. エピソードの重み

 当方が所属する日本キャリア開発協会の理事から、当方に対してご指導頂いた内容です。

  「他人に何かを伝えたい場合は、『自分の』ストーリーを話しなさい。」

 とのことです。より「自分が経験した具体的な事例」を話すと、その結果として

 

(1)話し手は、より臨場感を伴って話そうとする。

(2)聞き手も、一歩、身を乗り出して聞こうとする。

 

といった相乗効果があるそうです。且つ、そこに明確なストーリーがあれば、聞き手は、尚、話し手に関心を向けるでしょうし、それを実感できる話し手は、より一生懸命に伝えようとする、結果として場の一体感が産まれるとのご指摘です。これは協会内でのとある研修の中で頂いた、ありがたいご指摘ですが、勘の良い方なら当方が何を言わんとしているかをお察し頂けると思います。

  面接時の自己PRでも自己紹介でも、自分の長所を話す場面でも結構ですが、候補者自身のアピールをする場面では、単に、「責任感があって、コミュニケーション能力が高く、人間関係を構築するのが得意です。」で「あっさり」終わる人と、さらに「具体的には・・・」と自分のストーリーを話す方では、万人が後者により関心を向けるということです。(ただし、そのストーリーに関連性が全くない、あるいは期待された結末にならないといった場合は別ですが・・・)

  普通に仕事をしてさえすれば、必ず人に話したい事例の一つや二つはあるはずですので、それを話して頂ければ良いのではと思います。

 面接対策のマニュアルや、人材紹介会社のコンサルが作った模範解答を鵜呑みにする必要などかけらもありません。もし、そのエピソードやストーリーが思いつかないのであれば、他人(特に、前の会社の同僚や上司、取引先など)に聞けば良いだけです。

 

「仕事をする上での僕の良いところってなんやと思う?」と聞いた後、「過去に何かそんなことってあったかな?」

 

と改めて尋ねてみてはいかがでしょうか。信頼できる相手であれば、いくつも挙げてくれるでしょう。逆に、それを聞ける相手がいない場合で、且つ、自分の良さを示す具体的エピソードやストーリーが思いつかない場合は、自発的に離職をすることだけは避けたほうが身のためです。

 万が一、会社都合での離職を余儀なくされた場合で、且つ、自分の良さを教えて頂ける相手もいない場合は「キャリアカウンセラー」に相談です。徹底的に傾聴して頂けるキャリアカウンセラーであれば、必ず、「良さ」を引き出し頂けます。間違っても人材紹介会社の「コンサル」の出番ではありません。


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