キャリアカウンセラーのメッセージ

「キャリア」「仕事」「就職・転職」に関する実情について、キャリアカウンセラーの立場から発信して参ります。

12. 働き方(1)

 まず「働き方」についてです。会社都合で離職せざるを得なくなった方以外の転職経緯や退職理由を伺うと、明らかに「働き方」を間違った方が多いようです。その「働き方」に触れる前に、「エンプロイアビリティ」について、説明します。「エンプロイアビリティ」とは、

 

(1)継続的な雇用を可能にし、当該職種で発揮される。且つ

(2)労働移動を可能にする職業能力

 

と、CDA養成講座のテキストには記載されています。(1)と(2)はandです。どちらか一方だけでは不可です。(尚、当方はCDA養成講座を2代前のテキストで受講しましたので、もしかすると今は記載がないかもしれませんが。)

 キャリアカウンセラーの立場からすると、この「エンプロイアビリティ」を向上させ続ける「働き方」を、「どんな人も、どんな世代の方も、どんな会社にいる人も意識して頂きたい」と主張する次第です。

(1)に記載されています「継続的な雇用」を可能にするには、「最低の最低でも」自分の給与の2倍以上の付加価値(=会社に現金収入もしくは利益貢献をもたらすこと)を産むスキルやノウハウ、あるいは顧客、もしくは対外的なネットワーク等を持ち続ける、あるいは拡大させ続けることが必要です。それが理解できない方は、間違っても自己都合等で会社を辞めるべきではありません。いかなる理由があれども、しがみついてでも今の会社で勤続をすべきです。

 また勘のいい方は御分かりかと存じますが、会社に付加価値を提供できる方だけが、上記の(2)にあります「労働移動を可能にする」能力を有しているということになります。

 職位を上げることがキャリア・アップになると認識している方は世の中には多いかと存じます。無論、会社形態では、係長よりも課長、課長よりも部長、部長よりも本部長、本部長よりも役員のほうが、より決裁権があって、さらに会社の経営に近く「大きな」仕事ができるのは事実です。

 しかし、一方で、実際に転職の場面において、特に年齢が40歳を超えると再就職が難しくなるのは何故でしょうか?

 職位を上げる=キャリア・アップであれば、キャリア・アップということは、転職市場における市場価値を高めると置き換えてもいいはずです。が、再就職に苦労されるということは、転職市場における市場価値が低いということになりますので、職位を上げる=キャリア・アップとは言えない時代ではと当方は認識しています。さらに申しますと、「職位を上げる」=「エンプロイアビリティを向上させる」では、「全く無い」ということが言えるでしょう。

 私見で恐縮ですが、現代の多くの日本企業では、エンプロイアビリティとは無関係な形で昇進という処遇を行う会社が多すぎることに問題があるのではと思います。その結果、継続的な雇用ができなくなったときに、働く場所を失うその本人のみが不幸になっているというわけです。(具体的な社名を挙げるのは控えますが、当方の勤務先に連日来られる某大手企業出身者を見ていると、その感覚がますます強くなる次第です。) 

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