13. 働き方(2)
続けて別の観点から「働き方」について触れます。特に職位の高い方や給与の高い方によくある話です。いわゆる自己都合における「転職理由」「退職理由」で、
・「会社の業績が悪く先行き不透明なので。」「業績が悪く、給与もカットされたので。」
・「会社の方針と自分の考えが合わないケースが多く、長期勤続が難しいので。」
・「会社の体制が整備されておらず、自らの活躍ができる環境ではないので。」
・「創業社長(あるいはワンマン社長)と方針・意見が合わないので。」「それにより社員の離職も多く、定着がしないため。」
・「(自社製品もしくは商品の)マーケットが縮小しており、先行き不安が非常に大きいため。」
といった内容が多いのはご理解頂けるかと存じます。ただ、例えば在職中のある会社の部長(もしくは課長)が上記の理由で
「『いい所があれば』転職をするので求人案件を紹介して欲しい」
と当方の前に現れた場合、当方は、求人紹介をする前に「このような部下を持つその会社の役員(もしくは部長)や社長に同情する」次第です。
上記のような話を伺って、確かに「毎日会社では大変な思いをされている」という点は想像できます。が、そのような環境を「本人の力量で変革し会社の業績を伸ばす」のが、管理職である部長(もしく課長)の仕事のはずです。一方で以下をご覧ください。
・「会社の方針と自分の考えが合致しており、社員は全員長期に勤続する。」
・「会社の体制が整備されており、自らの活躍ができる環境が揃っている。」
・「社長が社員や現場の意見に耳を傾けボトムアップ型の社風」「それにより社員の自己都合離職は無く、全員定着する。」
おそらくこのような環境でみなさん働きたいのでしょうが、そんな会社は社員が辞めないので「わざわざ」正社員を中途で採用する必要も全くございません。また、
・「会社の業績が良く先行きも明るい。」「業績が良く、給与も伸びる。」
・「(自社製品もしくは商品の)マーケットが拡大しており、先行きの不安は全くない。」
という会社に転職したいのも理解はできますが、そのような企業がこの「低成長時代の日本国内にどれだけ存在するか?」は想像つくことでしょう。
結局は、転職したい方が転職理由に挙げる社内の環境を変えるような「働き方」ができる人、あるいはそのような社内の環境でも成果が出せるような「働き方」ができる人こそが転職市場で求められる方ということを、声を大にして主張し次第です。
そのような方は、いくら社内の環境が悪くとも、会社を辞めることを考えるのではなく、その環境を変えることに全精力を注ぎます。このような「働き方」を今の時代には意識したいですね。
一方そのような「外部環境」から「逃げたい」人は、いくら年収が高かろうが、いくら職位が高かろうが、いくら学歴が高かろうが、いくら大企業に勤めていようが、転職市場で求められる方では無いようです。よしんば転職できたとしても、転職先で同じような環境に遭遇すると、「再転職」「再々転職」の文字を頭に描きながら業務時間をだらだらと過ごすことになるようです。(その後の姿は想像するに難くありません。)