キャリアカウンセラーのメッセージ

「キャリア」「仕事」「就職・転職」に関する実情について、キャリアカウンセラーの立場から発信して参ります。

14. 働くマインド

 「マインド」でなくとも、「心構え」という日本語でも大差はありません。当方が「マインド」という言葉を使うのは、その昔、当方が今の勤務先で新人だった時代に、先輩社員がよく「マインド」という言葉を使っていたからです。

 前項で「社内の環境を変える」くらいの方こそが、転職市場で求められる方である旨の記載をしましたが、実際は、そのような方はごく一部です。多くの方は、そのようなスーパーマンではありません。となると、もう一つ、変えるべきものは「働くマインド」です。

 会社で働いていると、日々の指示される業務が多くなり、それだけで1日、1か月、四半期、半期、1年が終わってしまいます。それどころか次々に会社の方針、数値目標、納期、顧客クレームなどが発生し、1年、3年、5年、10年と、目の前の業務や会社や上司から指示されることに忙殺されて時間だけが経っていくというのは、多くの方に当てはまるでしょう。その日々の忙しい環境の中で、「できることだけ」を「できる範囲」で働き続けると、間違いなく退化していきます。

 また、自分の好きなことだけを行う、付き合うのに苦にならない人(社内外含めて)とだけコミュニケーションを取る、といった仕事の枠を狭めたり、選り好みをしたりしていると、これも退化してきます。

 「自分には向いていないと思っていた仕事だったが、考え方や周囲との接し方を変えると、いつの間にか向いている仕事になった」といった例、あるいは「自分には他に向いている仕事があると思っていたが、踏ん張った結果、向いている仕事になった」といった例は、残念ながら当方に来談に来られる方々からは聞くことは皆無ですが、キャリアで成功している(と自身で思っている、もしくは他人がそのように評価している)方々には、必ずそのように「働くマインド」を変えた、もしくは「働くマインド」が変わったエピソードがあります。

 外部環境や上司、配属先、職場環境などはおそらく簡単には変えることはできない「定数」でしょうが、働く本人の考え方や周囲との接し方は変えることの出来る「変数」です。無論、おおよそ40歳以上の方々は一般的に職業観や価値観が固まってしまい、なかなか「働くマインド」を変えるのは難しいようです。が、それを「難しい」で終わらせる人と、それでも「変える挑戦をする」人で、その後のキャリアに大きな差がついてしまうことも事実です。

このように書くと、特に40歳以上の求職者や再就職希望者からは

「精神論ばかり話すな。私が要求しているのは、自分が活躍できる会社や求人の紹介だ。」

とお叱りを頂くことになるかと思いますが、これを「精神論」を捕らえる段階で、すでに「失敗する『働き方』」もしくは「失敗した『働くマインド』」に陥っていることに、そろそろ気付くべきでしょう。

 何らかの困難に陥った際に、「『働き方』及び働く『マインド』を変える」以上に効果的で、手軽で、費用のかからない対処法は「ない」と断言できます。キャリアで成功している(とされる)方々からの無数のインタビューや事例検討を繰り返した当方の結論です

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