キャリアカウンセラーのメッセージ

「キャリア」「仕事」「就職・転職」に関する実情について、キャリアカウンセラーの立場から発信して参ります。

18. 仕事の貴賤

 当たり前ですが、不正や犯罪行為、脱法行為でない限り「仕事」に貴賤はありません。仕事や労働に対し対価が支払われる以上、何らかのニーズ、要望、需要に応えているわけですから、それは間違いなく程度の差はあれども「人の役に立っている」ことになります。(もちろん対価の大きさは労働時間に比例するのでなく、その労働からもたらされる付加価値に比例するのは申すまでもありません。)

 しかしながら、当方の業界にも責任があるのでしょうが、「やりがいがない」「この仕事に意味がない」「面白くない」「この会社では自己成長ができない」などの理由で簡単に会社を辞める方が一向に減らない状況です。必ずその仕事を必要としている誰かがいるにもかかわらずです。

 多くの方は、会社を辞めるよりも、次に働ける会社を探すほうが時間と手間がかかります。早まって「辞~めた!」という判断をする前に、立ち止まって欲しいものです。さらに在職中の方であれば、間違いなく言えることは、今のあなたは

 

「仕事に就いている」

 

という自信と誇りだけは忘れないで頂きたいものです。仕事に就いているということは(繰り返しますが)必ず誰かのニーズに向かい合っている、対応している、そして役に立っているということです。社会の一員としての役割を果たしているということです。様々な「学び」の機会を得ていることです。人としての本質である「人間関係」の中で生きているということです。

 世の中でそのような機会に恵まれない方々が、多数存在し、今後も存在し続けることを忘れないで頂きたいものです。

 その一方で、さらに具合が悪いのは、人の履歴書や職歴書を見て「右肩下がり」と言ってネタにする人材紹介会社のコンサル社員です。何のことか、当方もその意味を判りかねる単語です。

 何でも登録者(=求職者)の職歴において、最初大企業に勤務し、その後事情があって中小企業に移ったり、年収を下げたりするようなキャリアになることを、当方の知人が勤務している人材紹介会社内では「右肩下がり」という言葉で表現するそうです。

 そのような言葉を発する、その人材紹介会社の社員の思考回路と人格が「右肩下がり」ではないかとおおよそ想像できます。

 同じ仕事でもそれに就く本人のとらえ方は様々です。当方がセミナー等で使わせて頂く「3人の石切り職人」の話(興味ある方はヤフーかグーグルで検索してみてください。)を持ち出すまでもなく、とらえ方や解釈によって、その後の本人の職業観は良くもなり、悪くもなります。

 どうせ働くなら、あなただけの何らかの意味を見つけたいと思いませんか。


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