キャリアカウンセラーのメッセージ

「キャリア」「仕事」「就職・転職」に関する実情について、キャリアカウンセラーの立場から発信して参ります。

24. 仕事の喜び(4)

 前項のパチンコ店で働く女性の話をご覧になって、いかがお感じになったでしょうか。パチンコ店で働く人が「必要とされている」ということが少なからずご理解頂けたかと思います。

 さて、同じ働くのであれば、「喜び」や「誇り」を感じながら働くほうが良いに決まっていますし、与えられた環境や業務の中で、そのような「喜び」や「誇り」を自分で見つける、あるいは作るような働き方が継続できれば、素晴らしいキャリアを積むことができるのは言うまでもありません。

 「(顧客、社内の上司・同僚・部下を含めて)人から感謝されたとき」とか「他人から存在価値を認められた時」が多ければ多いほど、今の会社で長く勤めようとする、あるいは今の職場で満足なキャリアを積むことができるのは、調査上も明らかです。

 ただ、この不透明な時代、且つ成果主義がはびこる日本社会において、仕事の「喜び」や「誇り」を意識しながら働き続けるのも至難の業かもしれません。とは言え、仕事で得られる「喜び」や「誇り」などは、仕事をしない限りは「絶対に」得ることはできません。

 インターネットや掲示板だけの意見だけで、サービス業や「ヒト」相手の仕事を敬遠するどころか否定的あるいは批判的な態度を取るような場面に遭遇すると、さらにはそれが就業中の方ならまだしも失業中の方からそのような意見を頂戴すると、当方としては日本社会の病み具合の深さを痛感する次第です。

 さらに、人間が「喜び」や「誇り」を感じとる能力は、「喜び」や「誇り」を感じる場面がないと、徐々に衰えてくるそうです。これも当然かもしれません。つまり、仕事に前向きに取り組む方は、より仕事の「喜び」や「誇り」を感じる能力が研ぎ澄まされ、常にモチベーションが高いまま、次の仕事に取り組むことができます。

 一方、逆の方は、どんどんモチベーションが下がります。よく「格差社会」等といわれますが、これは経済的な格差だけでなく、働く上での「喜び」「誇り」を感じ取る能力といった内面的な「格差」についても言えることのようです。

 簡単に言えば、仕事ができる方はさらにできるようになるし、できない人はさらにできなくなるといったものです。再就職や転職の場面でも然りでしょう。

 就職や転職あるいは再就職の場とは、確かに、「希望業界、希望職種、希望勤務地、希望年収、希望休日、希望勤務時間・・・」などがあって、第一希望、第二希望、第三希望・・・などの「希望」を実現することが目的ではあるかもしれませんが、「個人の希望」と、「社会のニーズや転職市場からの要望」が完全に一致することは、まずありません。これは真理であり、疑いの無い事実です。

 そして、社会や市場からのニーズがないところで、いくら働く側の希望を唱えても誰も振り向いてはくれないでしょう。

 そのような方々に、本当の社会や転職市場のニーズを理解して頂き、本人が理解していない「働く喜び」や「働く誇り」を理解して頂くことこそ、キャリア・カウンセラーの仕事の「喜び」や「誇り」なのかもしれません。(これも大変なことですはありますが・・・)

 次回は、エンジニア職の例を挙げます。


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