キャリアカウンセラーのメッセージ

「キャリア」「仕事」「就職・転職」に関する実情について、キャリアカウンセラーの立場から発信して参ります。

52. インターネットと転職活動

 現代の転職活動(就職活動でも同じですが)では、インターネットを使える環境が身近にないと様々な制約があります。学生の就活においてはサイトからのエントリーしか受け付けないという企業も少なくありません。

 一方で、転職に関する情報が入手できるサイトは無数に存在します。単純に求人情報を掲載しているサイトから、いわゆる「2ちゃんねる」のような、その会社の内部事情が分かる(とされる)サイトまで、その性質も多岐に渡ります。

 確かに、インターネットが利用できると、自宅で簡単に情報が入手できるという点では便利ですし、何より転職や(再)就職には「情報の有無」も重要な要素ですので、その存在自体を否定するつもりは、当方としても毛頭ありません。

 ただ、来談される方々を見ていると、会社を決める判断材料を全てそのようなサイトから得られる情報に委ねてしまっている登録者(=求職者)が多くなっていることが気になります。

 つまり、「自ら判断する」ことを放棄してしまっている方々が増殖しているということです。

 転職や(再)就職に際して、これから入社しようとする会社、あるいは入社しようかどうしようか迷っている会社の情報(特に社風、雰囲気、人間関係などの表に出ない情報)を100%入手するのは不可能です。

 与えられて数少ない情報だけで、入社後のことを想定しながらジャッジをするのは、確かに難しいことかもしれません。ただ、転職で成功している方は、そのような環境でも「自分で考え」「自分で判断し」「自分で覚悟を決めて」入社し、いろいろな意味で大きく変わった環境下で「自らを変化させ」、会社の求めるミッションに応えている方々ばかりです。

 

そのような方々と比較をすること自体、失礼な話ですが、

 

「この会社は2ちゃんねるで悪い噂しかないから辞退します」とか

「転職掲示板で内部がよくないと聞いているので応募しません」

 

とか言ってくる方々は、自分の会社選びという人生の大きな判断を「他者」から得られる情報のみで判断しているわけですから、すでにナンセンス極まりない話です。

(せめて、面接の場で「御社に関して○○という指摘がWebで多くみられますが、実際はいかがなのでしょうか?」と聞き、その上で「自分で判断」すればよいだけの話です。)

 おそらく転職に際しての情報をWebだけに頼る方々は、ほとんどが転職や(再)就職に「失敗」した方々です。それだけに、疑心暗鬼になり、唯一信頼できるのが「サイト」という心情も理解できなくはないです。

 ただ、転職や(再)就職に1回ならともかく、2回以上失敗した方の転職先は、おそらく「サイト」で多少悪く書かれる企業でしかないのも事実です。そのことを受け入れる覚悟と自ら考えて判断するという主体性がないと、次の転職や再就職は「無い」でしょう。

 社会復帰をしたければ、「自ら」動いて情報収集する、あるいはサイトに募集のない企業へ自ら、「自分という商品を売り込む」営業をするといった「サイト」に頼らない転職活動(興味がある方は当ブログの10月26日からの記事を参考ください。)に取り組まれるのも一つの手段です。そうすれば違った展開が見えてくるかもしれません。


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