キャリアカウンセラーのメッセージ

「キャリア」「仕事」「就職・転職」に関する実情について、キャリアカウンセラーの立場から発信して参ります。

36.「ブルーオーシャン」的求人獲得の方法(9)~窓口の方へ挨拶・商談及び顧客ニーズの再抽出 その2~

 もし、「相手(=応募先企業)のニーズや課題」がいくら調べても判らない、もしくは想像すらできない場合(これはこれで問題ですが・・・)は、どうすればよいでしょうか。ご安心下さい。「面接」の場で尋ねればよいだけの話です。

 とかく「面接」という場面では、採用する側が質問をし、求職者側がそれに答える場面が多くなる性質ではありますが、ほとんどの場合、採用する側(つまり面接官)から

 

「何か弊社もしくは本案件に対してご質問はありませんか?」

 

と候補者側からの質問を求められるケースがあります。その場面が、実は、求職者側のニーズや課題を探る「最大の」チャンスです。この場面で、

 

「御社の経営理念は何ですか?」

「御社の今後の方針はどのようなものですか?」

 

などと、三流の人紹(人材紹介会社の略です)が指南するような低レベルの「質問のための質問」「その場逃れの質問」で時間を無駄にしても良いのですが、

 

「私の認識では、御社の○○の部分が、競合他社との比較において課題ではと認識していますが、いかがでしょうか」とか

「御社の組織構成の話を伺った際に、中間管理職層が手薄であると認識しましたが、いかがでしょうか?」とか

「平均年齢を伺った際、あるいは社内を見渡すと、比較的若い方々が活躍しておられますが、例えば社員のリテンションに課題があるとかはないでしょうか?」

 

などど、こちらから話題を振る形で質問されてはいかがでしょうか。

 

すると、何らかの回答があるでしょうから、それに対して、

 

「今のお話であれば、私の今までの○○と言った経験、実績(より具体的に簡潔に!)が御社の課題やニーズに、即、活かせると存じます」

 

とさらに話を展開頂くと、より効果的です。

 繰り返しますが、面接の最後の場面で求められる求職者からの質問の時間は、採用側の課題やニーズを直に聞ける最大のチャンスです。なので、それに対する先方からの回答に対して「わかりました」で終わるのではなく、もうワンポイント、「自分自身のセールス」をして頂きたいものです。

 もし、ここに至るまでの面接の時間で緊張のあまり上手くアピールができなかったとしても、挽回できるラストチャンスです。(と、「自分で」多くの求人を作ってこられた候補者は主張されていました)

 中途採用の「面接」について触れていますが、あくまでも「自分という商品をセールスする新規開拓営業」での商談の場面と同じです。「商談」というものは相手のニーズに合致しないと(当たり前ですが)成立しません。

 さらに申しますと、商品に対する代金(つまり人件費というコスト)を上回るリターン(その人が入社した場合に、会社側にもたらされる付加価値)がないと、これもまた「商談は成立しない」というのも言わずもがなです。

 今まで取引が長年あって、「まあ社長、すみませんが今月これくらい仕入れてくださいよ~」でお願いできる間柄でしたら別ですが、今回はいわゆる「完全新規開拓営業」になりますから、シビアに見られることだけはご理解頂けるかと存じます。

 このように記載すると、さらにハードルが高くなったような感覚になりますが、おそらくハローワーク求人や、○クナビ、○イナビ、あるいは○クルートキャリア、○ODAといった手段を使って、無駄な応募を100件するよりは結果的に、より効率的になるケースが多いのも事実です。


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