キャリアカウンセラーのメッセージ

「キャリア」「仕事」「就職・転職」に関する実情について、キャリアカウンセラーの立場から発信して参ります。

28. 「ブルーオーシャン」的求人獲得の方法(1)

 当方の勤務先のような人材紹介会社を御利用頂く登録者(=求職者)の99%は、「求人」が目当てであるのは言うまでもありません。間違っても「キャリアカウンセリングを実施して欲しい」という理由で来社される方はいません。よって、目当てである「求人」の紹介がなければ、登録者にとっては「利用価値無しの会社」というのも理に適っています。

 しかし、それではあまりにも寂しいので求人獲得の方法を示すことも多々あります。それが、標記の「ブルーオーシャン」的求人です。もし世の中の「職を探している方」全てがこれを実践されますと、当方の勤務先のような会社を筆頭に「転職」に関わるビジネスはすべて不要になります。「転職」をビジネスとした会社に費やされているお金が、別の有効な用途に向かえば日本社会はもっと良くなるような気がすることもあり、以下、記します。

 まず、「ブルーオーシャン」的求人とは何か?ですが、簡単に言えば、競争相手のいない求人のことです。(青い海=競合相手のいない領域のことです。)無論、経営学で言う「ブルーオーシャン戦略」からの引用です。興味がある方は、INSEADビジネススクール教授のW・チャン・キムレネ・モボルニュが著したビジネス書を眺めて頂けましたらと存じます。

 ちなみに、これの対極は当然「レッドオーシャン」((赤い海=血で血を洗う競争の激しい領域のこと)的求人です。世の中のほとんどの求職者が、このレッドオーシャン的求人に群がりそして散っていくという時間と労力の無駄を繰り返しているといえば言い過ぎでしょうか。

 では、どのように獲得するかですが、大前提は、

 

「他人と同じ事をしても『ブルーオーシャン』的求人には辿りつけない」

 

ということでしょう。とは言ってもそんなに難しくはなく、いわゆる新規開拓営業と同じプロセスを踏むだけの話です。新規開拓営業の経験者なら、今まで扱ってきた製品や商品を「自分」と置き換えれば良いだけですから、すぐにご理解頂けるかと思います。

 ただし、このプロセスが可能なのは、おそらく離職者がメインになるという点は御容赦下さい。(何せ、働きながらでは時間的制約があるでしょうから)。

1.見込みリストの作成

2.テレアポ、採用窓口(人材紹介業界ではフロントと言うらしいです)及びキーパーソンの抽出

3.企画書作成

4.窓口の方へ挨拶、商談、顧客ニーズの拾い出し

5.キーパーソン(決裁権者)へのプレゼン

6.成約

このプロセスを何度も繰り返すうちに(1回で上手くいくケースもありますが)、3ヶ月くらいで見事、転職・再就職に到達と言う事例は無数に存在します。「自分」という商品を売り込む3ヶ月の商談とでも認識頂ければよいでしょう。このプロセスを「求人がない企業に対して続ける」わけです。

 無論、全ての企業からこのプロセスによって、ブルーオーシャン的求人が獲得できるわけではありませんが、もしこれにより求人が出てきた(つまり採用プロセスに乗っかった)場合、それは、その方が獲得した「ブルーオーシャン」的求人になり、ライバルがいない中で採用プロセスが進行するわけです。

 誤解の無いようにして頂きたいのは、「ブルーオーシャン」的求人を獲得したとしても、それが即、入社に至るわけではないという点です。採用の確率は極めて高いものではありますが、選考の結果、不採用の可能性も十分にあることはお忘れなく。

 ただし、世の中の不採用の理由の5割以上は「他者比較」と言う理由であれば、ライバルがいない求人を獲得できれば、採用の確率が理論上2倍以上になるわけです。「求人を紹介してくれない」とか「求人がない」と言って無駄に時間を浪費するのであれば、自ら「プルーオーシャン」的求人を獲得する行動を行うのも、一つの時間の使い方になるでしょう。

 では、明日以降、個々のプロセスごとに詳細をご紹介して参ります。

(全て当方の日常業務で得た実話・実例をご紹介致します。)


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