キャリアカウンセラーのメッセージ

「キャリア」「仕事」「就職・転職」に関する実情について、キャリアカウンセラーの立場から発信して参ります。

45. 10年後の居場所があるか

 4~5年ほど前に、当方が拝見した日経新聞朝刊のコラム「核心」のタイトルです。内容はおおよそお察し頂けるかと思いますが、この言葉は、何も経営者や企業の業界内におけるポジショニング、あるいは世界の中の日本の位置づけだけにとどまらず、現在の働く「個人」に対しても「重い」問いかけではないかと思います。(無論、当方もサラリーマンですので、同じです。)

 且つ、何も職場だけでなく、家庭内や地域内といった各集団内でも、同じように重く個人に問われている時代かもしれません。

  より、厳密に申し上げると「10年後、『大きく周囲の環境が変わったとしても』、あなたの居場所があるか?」という問いかけになるのでしょうか。

  環境が全く変わらなければ、今と同じ居場所はキープできる方も多いと思います。ただ、10年後など誰も予想できない時代だから、この問いかけの重みが増すわけです。(例を挙げるまでもなく、10年前に今の会計不正に揺れる某大手メーカーや、過大な投資が重荷になって経営再建を行っている某大手メーカーの姿を予想できた方は誰一人いないわけですから。)

  そのコラムの中では、インテル、コーニング、ベル研究所といった企業を例に挙げて、時代の潮流に合わせて自らの事業領域を変化させる成功例を取り上げていますが、これも、個々人の働き方に当てはまるのだと当方は認識しています。

 ただ、このように書けば、誰でも「文章では」理解できることですが、実際に行動に移すのが難しいのも事実です。だから、余剰な労働力がいまだに転職市場にあふれ出ているわけです。

  繰り返しますが、「時代の潮流に合わせて自らの働き方を変化させる」ことの重要性は、頭では誰でも理解しています。(これが理解できない方は、それこそ間違っても「転職」等は考えるべきではありません。)ただし、

 

①そもそも潮流の変化とは何か?あるいはどこか?

②自らの働き方のどの部分を変えるか?

③さらに、それをどのように変えるか?

 

まで理解できないと、具体的行動には移せません。

  ①で申しますと、例えばですが、在籍している企業が2期連続で赤字なら、すでに潮流の変化なのでしょう。②,③はケースバイケースになりますので、個別カウンセリングにお任せせざるを得ない部分ですが、最も早い対処法は①の段階で、自分の働き方を「全否定」することです。その後に、様々な手段や方策が見えてくるはずです。

 10年後の必要に迫られた段階になって、あわてて居場所を探す、あるいは「とりあえず」人材紹介会社に登録をするといった無様な姿を晒さなくてもよいように、今のうちに対処法だけは身につけて欲しいものです。


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